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パク・ヘイル × シン・ミナ
「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」の軌跡 ③
パク・ヘイル「菊花の香り 世界でいちばん愛されたひと」

恐らく、パク・ヘイルが最初に女性人気を獲得したと思しきラブロマンス。
「殺人の追憶」と近い時期に撮影されたと視察される。ただし、日本では「殺人の追憶」に遅れること約7ヵ月、2004年10月16日に劇場公開されているが、韓国本国では「殺人の追憶」からさかのぼること約2ヵ月、2003年2月28日に先んじて公開されている。鑑賞順によってはパク・ヘイルの見え方、印象も異なるかもしれない。

役どころは、アメリカ育ちの20歳の大学生イ・ソナ。ある日、地下鉄でひとりの女性に心を奪われた彼は、後日、勧誘されたサークルの集まりで偶然、彼女と再会。以後、その年上のひと、ミン・ヒジェ(チャン・ジニョン)に、どこまでも一途な愛を貫いていく。
 どんなに女性に断られても思いを変えない。兵役を経ての7年後、ラジオ局の職員となった際には、先輩女性への思いを番組への投稿の形で読み上げ、女性の好きなヨーグルトを玄関先に山積みにして帰りを待っていたりもする。ストーカー一歩手前の行為に目が眩む瞬間があるが、パク・ヘイルの純朴がそんな邪気を許さない。

  アメリカ帰りという割には、「殺人の追憶」同様、垢抜けない顔立ち。年下という役回りも手伝って、どこか幼さも感じられるか。実際、相手役のチャン・ジニョンはパク・ヘイルより3歳年上。だから、甘いモノローグ/台詞の数々も平気で並んでしまう。
「後輩が愛していると言ったら笑いますか?」「先輩の髪は菊の香りがします」「殴られたのはお腹だけど、痛んだのは胸でした」等々。ここに「赤面」という単語は存在しない。
 朝ご飯はつくる。スキンシップは欠かさない。ベンチに座る際には自分のカーディガンを敷く。そして、寝る前には優しいマッサージ。「想いの貢ぎ」がハンパじゃない。

やがて物語は怒濤の悲劇に突入。パク・ヘイルの献身(過ぎる)愛に心を温められていた観客は、もはや涙を抑えられない。

文:賀来タクト


「菊花の香り 世界でいちばん愛されたひと」(2003)
監督:イ・ジョンウク
出演:チャン・ジニョン/パク・ヘイル/ソン・ソンミ/キム・ユソク/チョン・ウナ

「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」公式サイト


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