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PEOPLE / ポン・ジュノ
映画の進化と未来をめぐって

Photo by : 丸谷嘉長

「『オクジャ』はネットフリックスで撮った。『スノーピアサー』ではハリウッド俳優とも仕事をした。だけど、純粋に韓国で韓国の俳優と一緒に撮ったこの作品で、前2作以上に、国際的な熱い反響を得てきるのは皮肉なことだね。もちろん、うれしいんだけどさ」

ポン・ジュノはアイロニーたっぷりに新作について語る。「パラサイト 半地下の家族」は、カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールに輝き、全米では外国映画としては記録的な大ヒットを飛ばしている。批評、興行が共にひれ伏すしかない獰猛な面白さ。それをものにしたのだから、自信満々かと思いきや、その巨体に反して物腰は実に謙虚である。なにしろ、自身の性格を「不安症」と語るほどだ。

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「絵コンテを一生懸命描くのは、不安症だからだ。ストーリーボードがあることで、心が安心するんだよ。ストーリーボードを用意しない、優れた監督はたくさんいる。たとえばスピルバーグはストーリーボードに頼らないらしいね。精巧に描いたストーリーボードを基に、そのままカメラアングルを決めたり、そのまま撮ったりする計画通りの部分もあるけど、俳優に対しては事前に話し合ったり、リハーサルしたりはしない。俳優が演じやすい環境を作りたいんだ。それが目標。具体的なもの注文はせずに、ますは撮ってみよう! というところからスタートする。豊かな俳優陣が揃っているからね。いつも、とても楽な気持ちで撮影に臨んでいる」

「パラサイト」は、脚本、演技、撮影、音響、すべてが絶妙に絡み合い、映画の歴史は一足飛びに100歩ぐらい進めてしまった破格の作品だ。だが、監督はあくまでも平常心で語る。