10月21日、いよいよ、ホウ・シャオシェン、エドワード・ヤンの遺伝子を継ぐ、ホアン・シー監督の第1作「台北暮色」のブルーレイとDVDがリリースされる。A PEOPLE CINEMA(エーピープル・シネマ)の記念すべき第1回配給作品。昨年11月に日本公開されてからちょうど1年、台北の美しい映像で描き貫かれた「女と、男と、少年の物語」を今度は、ぜひプライベート・シチュエーションでご覧いただきたい。
さて、ブルーレイとDVD最大の注目は何と言っても特典映像だ。本編には無い貴重な未公開映像が4種も収録されている。シュー、フォン、リーの3人が絡む、まったくのアザー・シーン、リーと母親、その友人たちの意外なコミカルな会話、機械をいじるリーの手のアップシーン。そして、フォンとシューがお互いの身の上を吐露する、セブンイレブン前のシーン。この映画を見た多くの人々が印象的なシーンとつぶやき、「距離が近すぎると、愛し方を忘れる」というフォンのセリフを取り上げながら、自身の共感の想いを熱く綴る、あのシーンだ。
しかし、あのシーンの続きがあったのだ。フォンとシューの間に流れる空気が少しずつ変化し、やがて溶け合っていく様子がより濃密に映し出されていく。フォンの「距離~」から派生した新しい?!セリフも併せてぜひ、その目で確認いただきたい。孤独な男、フォンを演じた、クー・ユールンの演技は見事という他ないだろう。
ちなみに、11月2日公開の「あなたを、想う。」にも。クー・ユールンは出演。ここでは哀しみに満ちた、実に繊細な演技を映像に刻み込み、見る者の心を捉えて離さない。
なお、A PEOPLE CINEMA第3回配給作品「あなたを、想う。」は11月2日(土)よりユーロスペース(東京)、横浜シネマリンほか全国順次公開となる。
「台北暮色」
2018年11月24日(金)~東京 ユーロスペース他全国で公開中
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その4 スー・チー
その5 ホウ・シャオシェン
その6 エドワード・ヤン