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パク・ヘイル × シン・ミナ
「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」の軌跡 ⑥
パク・ヘイル「10億」

パク・ヘイルがサバイバル・ゲームに参加する男を演じたサスペンス調の人間ドラマ。

具体的には、28歳のフリーランス・プロデューサーという役どころ。常にビデオカメラを携帯し、目新しいことが起こるとすぐに映像に記録しようとする。わかりやすい設定。
 賞金は10億ウォン。場所はオーストラリアのパース。砂漠あり、森あり、川あり、海ありという最高の舞台にして、最高の映画的ロケーション。
 証券マン、ホステス、掃除屋、学生ら、若い参加者は皆、最初からギャーギャー騒いでうるさいが、パク・ヘイル演じるハン・ギテは終始冷静。ハン・ギテなりにゲームのからくりを見越しているという展開ゆえだが、パク・ヘイルが出演陣の中でも年上の位置を得る俳優という事実もまた、自ずと役柄に大人の気分をにじませている。映画公開時、32歳。ここには、田舎の青年役が似合いそうな童顔若手俳優はもういない。
 ひとり、またひとりと死をもって脱落者を生むゲームの流れに対し、ハン・ギテはアルバイト女性チョ・ユジン(シン・ミナ)と協力して後半の難を乗り越えていく。彼女にゲームの参加理由を尋ねられていわく「自然があるところに来たかったのかも」。クールだ。
 シン・ミナとの初共演作でもある。
 木上の矢を取ろうと苦戦するユジンに対し、パク・ヘイルことハン・ギテは肩車を敢行。砂漠の逃走場面では彼女の腕を引っ張って、奮闘努力。汗まみれ、泥まみれ。このあたり、静謐なる2度目の共演作「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」と比べてみると面白い。

文:賀来タクト


「10億」(2009)
監督:チョ・ミノ
出演:パク・ヘイル/パク・ヒスン/シン・ミナ/イ・ミンギ/チョン・ユミ

「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」公式サイト


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