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CULTURE / MOVIE
A PEOPLE CINEMA第2弾
「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」

「台北暮色」を配給したA PEOPLE CINEMA(エー・ピープル・シネマ)。その第2回配給作品が決定した。チャン・リュル監督「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」。初夏より渋谷・ユーロスペースほかにてロードショー。


韓国、古墳の街、慶州〈キョンジュ〉。この地を訪れた男・ヒョンと、そこに住む女・ユニ。韓国映画界を代表する名優、パク・ヘイルと、演技派に成長したスター、シン・ミナが演じる男と女が出逢ったとき、時を越えて消えたものがふたりを強く結びつける。そして、いつか見た、生と死の間に、その哀しみが熔けていくーー。監督は、今年のベルリン映画祭で最新作「福岡」が上映されたチャン・リュル。初期作品「キムチを売る女」がカンヌ映画祭で受賞して以来、発表した作品「春の夢」「群山」など常に世界の映画祭で注目を集めてきた。日本では知られざる、世界の名匠だ。本作「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」は、チャン・リュルがこれまでと違う次元に入ったターニングポイントとなる一作。ここからチャン・リュルの新しい世界がはじまる。映像で、人の心を書く、映画作家の美しい傑作である。

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親しい先輩の訃報の知らせから、久しぶりに大邱(テグ)を訪れた北京大学教授のチェ・ヒョン(パク・ヘイル)。亡くなった先輩との7年前の旅を思い出したヒョンは、衝動的に、そこからほど近い慶州(キョンジュ)へと向かう。以前と変わらず、美しい緑に包まれた古墳が並ぶ街を懐かしむヒョン。彼にはどうしても確認したいものがあった。それは、茶屋にあった一枚の春画。その茶屋を訪れたヒョンは、美しい主人・ユニに出逢う。そこに春画は、もうなかった。ユニによれば、7年前からそれは存在しないという。ヒョンはその後、かつて一夜を共にしたことのある後輩の女性をソウルから呼び出すものの、衝撃的な秘密を打ち明けられる。そして、ユニにも哀しい過去があった……春画を探すヒョンがやがて辿り着く意外な結末とはーー。エンディング曲の題名は「サラン(愛)」。詩情緒に満たされるラスト……。

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カルチャーサイト「A PEOPLE」では、「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」に関するさまざまな企画を展開。チャン・リュル監督ロング・インタビュー。パク・ヘイルとシン・ミナの過去作品をレビューしていく連載。イ・ジュンドン韓国現地インタビュー。などなど、お楽しみに。


「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」
監督:チャン・リュル
出演:パク・ヘイル/シン・ミナ

6月8日(土)よりユーロスペース(東京)、横浜シネマリン(神奈川)、出町座(京都)にて公開
公式サイト


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